部下、後輩、他部署が提案をしてきたときの聞き方に注意して欲しい。

我々は業績の向上を目的としているのだから、提案を聞く際にも「どのようにすれば業績が向上するか」を踏まえた上で
その聞き方を考えるべき。
  1. 提案の内容に一理でもあれば、その一理を取り入れた方が業績はあがる

     十のうち九が間違いであったとして、一でも学びとるところがあれば、その一を得ればプラスである。
    一を得ずして、九の間違いを指摘したり、問い詰めたり、責めたり、論破することに専念する。そこに何のプラスがあるか?
    ましてや、九の理を聞かずして一の間違いを突っつくなどという行為は論外である。

  2. 一理でもある提案ならば、なるべく多くしてもらった方が業績があがる

    一理でも取り入れると業績が上がるのなら、そのような提案は多ければ多いほど良い。
    ならば、より多くの提案をしてもらえるような聞きかたをすべきである。
    間違いを指摘してばっかりいたら、善意の相手でも、うんざりして提案したくなくなってくる。
    出てくるモグラを叩いてばかりいると、モグラは出てこなくなります。機械じゃないんだから。人なんだから。
    提案を無くしたいの?提案のアラ探しではなく、業績の向上が目的なのでしょ?
    一理でも学ぶところのある提案をしてきた人に対しては、その一理を認め、誉め、感謝すべき。

だから、意見を聞くときには、
  「突っ込むべき間違いを探す」前に、「学びとるべき理を探す」べきである。
  学ぶべき点を学んだ上で、反論すべきところは反論するというのなら、礼を失しない言い方でない限りOKだろう。
  しかし、反論することに終止し、業務の改善の機会を逃したり、相手の善意をくじくようなことはしてはならない

そのような本末転倒な行為を、

角を矯めて牛を殺す
  という。
  「角を矯(た)めて牛を殺す」とは、角の形を直そうとして牛を殺してしまうという意味で、
  小さな欠点を直そうとして、かえって全体をダメにしてしまうことの例えだ。

にもかかわらず、なぜ他人からの提案に対してアラ探しをして、叩き潰そうとするか?
目的が「業績の向上」ではなく、別のところにあるからである。例えば、次のような目的になっていたりする。

  1. 示威行動(猿がやってるやつ)

    「私は、おまえより賢いのだよ。私に意見するなぞ百年早いわ。ばーか!」と言いたい。
    目的は自分を大きくみせること。猿の他に、小学生も得意ですよね。


  2. 縄張り意識(犬のおしっこみたいなの)

    「これは私の仕事の領域だ。何も知らんあんたが偉そうに意見するな。しっしっ!」
    目的は自分の縄張りを守ること。器量小さすぎます。


  3. 猪突猛進(猪ですね)

    本来の目的を考えずに、一つでも「間違い」を見つけたら、ただただひたすら猛烈に責めねばならない気性。
    目的が「間違いを証明すること」一本槍に、なっちゃってるわけです。視野が点になってしまって、全体の状況がまるっきり見なくなっている状態。「飛んで火に入る夏の虫」と同じ原理です。
    挑発して怒らせて破滅させるという罠をしく策士がいたら、ゴッドファーザーのマイケルのお兄さんみたいに蜂の巣にされちゃいますよ。


  4. 石頭(バカですね)

    学ぶ吸収力を持たず、人の非を責めることしか能のない石頭。目的は、「現在の自分の認識を他人に否定されないこと」です。周りに人が寄り付かなくなったあげく、脳の血管が詰まって死にますよ。
ともかく相手が善意で提案してきているのに、間違いを突付いて撃墜するというのはダメです。
そういうことはしないよう、各自修養してください。私も修養します。いっしょに立派な上司になりましょう。

ただし、、、
提案が建設的な内容ではなく、悪意を持った「喧嘩売っとんのかワレ!」系だった場合には、
冷静な判断を維持するのは難しい。それでも「さらっとかわした上で学ぶとこだけ学ぶ」なんていうことができれば
最上級者。先生と呼ばせていただきます。
私自身でもなかなかできないことを、みんなに要求したりしません。
こういうときは、「まず制裁を加える」というのは有りにしときます。

だから、、、
提案する方も、目的が善意であるなら、そのような表現をしようね。
むやみに、けんか腰だったり、批判的だったりすると、単に喧嘩売ってることになっちゃって、
「小僧なめとんのか!ええ加減にしさらせよ」状態になりますよ。気をつけましょうね。




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