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第 5 章  業績評価規定


  GLOVA では、業績の昇格基準をクリアしさえすれば、行動考課で特に問題がない限り大抵の場合即座に昇格する。業績に重きをおいた実力主義型の評価制度といえるが、ここで「何をもって業績とするか」という根底的な問いがある。「業績」とは、「会社への貢献度」であり、「仕事に対する価値」であり、単に目に見える売上や利益だけではない。それをどういう基準でとらえるかについては様々な観点がある。
  そこで「何をもって業績(=会社への貢献=仕事の価値)とするか」についての共通認識を持つために、本規定でその基準を明確に定義する。
  通常は業績というと、売上や利益等の数字を指す。しかし、直接数字で見える仕事だけが価値があるとは限らない。直接数字にはならないが間接的に売上や利益に貢献しているサポート的仕事や、今現在は結果は出ないが将来的に成果となる投資的な仕事も、価値として認めるものとする。いずれの場合もその価値の評価は、仕事の依頼者(顧客、他部署、上司、会社)が認める経済的価値で行う。


第 21 条 【業績の定義】

業績として評価する仕事の価値は、次のうちのいずれかとする。
@ 顧客が認める経済的価値
A 間接的仕事に対して、受益者が認める経済的価値
B 投資的仕事に対して、投資者が認める経済的価値

第 22 条 【決定の遵守】

「経済的価値」とは、次のうちのいずれかとする。
@ 顧客から受け取る代価
A 社内の受益者から受け取る内部取引ポイント
B 会社から受け取る CPP
C 部署内の構成員に対して、部署長が認める業績ポイント



間接的仕事の評価

  例えば、直接的に売上や利益などの数字にならない場合でも、間接的に誰かに貢献している仕事がある。他の人や部署が売上をあげるプロセスにおいて貢献している場合や、他の誰かの仕事をサポートしている場合など。
  このような場合、受益者が社内の特定の部署であれば、受益者が認める価値が内部取引として支払われる。受益者が会社全体であれば、会社が認める価値が CPP として支払われる。また、部署の構成員に対しては、部署長が認める貢献度が評価ポイントとして割り振られる。

投資的仕事の評価

すぐには数字として表れないが将来に成果が期待される仕事がある。成果がでるまでにかかる費用を投資という。投資にかかるお金は「リスクマネー」(リスクのあるお金)と呼ばれる。なぜなら、将来本当に経済的価値を生むかどうかはわからないからである。投資した費用に対して見合う利益がでなかった場合は、費用は損失となる。投資者とはその損失を被る覚悟をしてリスクマネーを出すリスクテイカーである。

勤務時間中に投資的仕事を行うとその時間分の人件費がリスクマネーであり、そのような仕事を「リスクワーク」と呼ぶ。リスクワークについては、誰かその投資価値を認めた者が費用を負担することになる。

将来的に特定の部署の便益になるリスクワークならば、その価値を部署長が認めれば、その部署が費用を負担する。部署内の投資的費用を補助する制度として、「バーチャル貸付制度」もある。

会社全体の便益になると会社が認めれば会社が CPP を支給することになる。

業績とモラル

顧客からも、社内の誰からも、会社からも経済的価値を認められない仕事については、業績としては認めない。

例えば、道のゴミを拾っても、誰かにがその人にお金を払わない限り、経済的価値とはいえない。すべての良いことがお金になるわけではなく、すべての悪いことが有罪になるわけではない。世の中には、社会的に良いことをしても経済的価値を得ることはできず、逆に社会的に悪いことをしても法律には触れない領域がある。この領域を「モラル」と呼ぶ。モラルの善悪は、社会的な評判や人望に影響を与える。長い目で見れば実益・実害につながる場合だってある。

社内のモラルについては、行動考課で評価される。業績がいくら良くても、行動考課で著しい問題があれば昇格できない。また、 GLOVA 憲章に著しく抵触する行動をとる者は、役職の高低、業績の高低に関わらず、許されることはない。

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