賢い翻訳発注のコツ

望み通りのクオリティを適正価格で発注する方法

翻訳の品質と値段は、多くの要素によって左右されます。 ベストクオリティ&ベストプライスを実現するためには、各要素について、いかに過不足なく適切にオーダーするかが重要です。

翻訳の精度(クオリティ)

どの程度の精度が必要かは、翻訳文をどういう用途に使うかによって変わります。公式文書など重要な書類の翻訳に安い翻訳者を使うと取り返しのつかないトラブルを招きますし、参考に読む程度の資料の翻訳に超一流翻訳者を使うのはコストのムダです。

発注の際に「翻訳文書の用途」や「対象者」を明確に伝えることで、クオリティのミスマッチを最小限に防ぐことができます。

訳文の自然さ

“In a thousand instances, unrecognized use has been made of the principles of psychology by businessmen to influence other men and to attain their ends”

という英文に対しての訳文の例です。

A:「一千件の例において、他の人々に影響を及ぼすため、または彼らの目的に到達するために、ビジネスマンたちによって心理学の原理の非認識的な使用がなされてきた」

B:「ビジネスマンが、人を動かしたり、業務上の目的を達成するために、知らず知らずのうちに心理学上の原理を使っているという例はいくらでもある」

どちらも意味に間違いはありません。しかし、より自然な日本語を書く文章力が要求されるBの訳ができる翻訳者の料金の方が高くなります。

発注の際に「翻訳文書の用途」やお客様の基準を伝えることで、クオリティのミスマッチを最小限に防ぐことができます。

専門用語の正確さ

専門用語についてどの程度適切に翻訳できるかは、翻訳の品質において大きなポイントになります。専門用語の適切さが重要な場合には、翻訳者の選択は慎重に行わなければなりません。一方、料金は専門性が上がれば上がるほど高くなります。

逆に言えば、原本の文書自体が専門的であっても、翻訳では用語の精度を問わない場合はコストをカットすることができます。

専門的な翻訳を発注する際には、用語の正確性を指示することでクオリティも料金も、より適正なものになるのです。

校正

出版レベルの校正、通常の文字校正、校正抜きなど、校正の程度によっても料金は変わります。

翻訳の意味があっていれば、多少の誤字脱字くらいはあっても構わないという場合は、校正工程を抜くとコストは下がります。

校正工程の省略は、料金を安く抑えられるうえに納期の短縮にもつながります。求められるクオリティに応じて使い分けましょう。

入稿形式

原稿の形式によりかかるコストが異なってきます。

例えば弊社の場合、プレーンなテキストファイル(拡張子が「.txt」のファイル)がもっとも安く、原稿が紙(FAX)の場合や、文字データの抽出が難しいデータ形式の場合は高くなります。

弊社では、どのような入稿形式でも対応可能ですが、コストを抑えたい場合はテキストファイルで入稿できないか、事前に確認しておくことをお勧めします。

納期

納期が急になればなるほど翻訳料金は高くなります。また、クオリティについても保証が難しくなります。

翻訳は労働集約型の作業ですから、「最低限必要な時間」というものがあります。たった「1日」発注が遅れるだけでコストにはねかえってしまうこともあるほど、翻訳作業にとって「時間」は貴重です。余裕をもった準備がむずかしくても、発生したらできるだけ早く発注するのが賢明です。

翻訳は発生したらすぐに発注。余計なコストが発生しないように気をつけましょう。

連続性・ボリューム

案件の連続性が高く、蓄積できる翻訳データが多ければ多いほど、クオリティ、スピード、コストあらゆる面で有利になります。

また、まとまった量を通常の納期で仕上げる場合も「ボリュームディスカウント」がきくケースが多くあります。

同様の案件が繰り返し発生する見込みがあるときは、見積時に伝えましょう。

図表・DTP・印刷

図表内の文字の翻訳や訳文のレイアウト等は、必要なければ省くことによって料金を安く抑えることができます。

必要な場合は、それぞれを個別の業者に依頼するよりも、弊社のようにDTPから印刷まで一括して対応ができる翻訳会社に依頼するようが、クオリティ、スピード、コストともに有利になります。

DTPや印刷が必要な翻訳は、ワンストップサービスが可能な翻訳会社に依頼することをお勧めします。

参考資料

社内用語集、過去の翻訳データ、その他参考資料など、翻訳にあたって参考となる資料は、望みどおりのクオリティに仕上げるためにも非常に重要です。

とくに社内用語や業界用語など、自分たちが「常識」と思っていても第三者にとっては「特殊」な言い回しが含まれる場合は注意が必要です。

事前に情報(指定の訳語)を提供するのとしないのでは、仕上がりや納品後の手間に大きな差が出てしまうからです。

翻訳作業が完了してから気づいたのでは、修正作業に時間とコストがかかってしまいます。納品後のチェック作業を軽減する近道は、事前の情報提供にあるということを覚えておいてください。

参考になるかどうかわからないときは、まずは相談してみましょう。