翻訳・通訳のグローヴァ
I「指示と報告」編
Lesson1

Lesson2

 タスク(第1回)

 Lesson3

 Lesson4

 タスク(第2回)
2002
株式会社GLOVA
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Lesson 2 指示には受け方がある  〜ただ漫然と受けてないか?〜
講義
  指示には受け方がある。ただ漫然と受けていてはだめだ。新入社員用のテキストでは必ず説明されており、新人時代は守る人が多いが月日とともにおろそかになっていく。これらの教えは決して名目だけのものではない。それぞれに実際的な意義があるのだ。軽く扱ってはいけない。再度、指示の受け方の教えがどんな意味を持っているか、再確認しよう。

1、呼ばれたら、明るく機敏に「はい!」

  新人の頃は大抵の人は明るく「はい!」と言える。それが1年たち2年、3年経つうちに、だんだん慣れてきてだらっーとしてくる人が出始める。一方、何年経っても「はい!」と言える人もいる。周りを見渡して欲しい。上司の呼びかけに、明るく機敏に「はい」という人=仕事が集まる人=できる人だ。逆に曇った「はい」をする人=仕事がだんだん減っていく人=上手くいってない人だ。この違いはどこから来るのだろうか?
  こう考えればわかりやすい。実は、上司に呼ばれたときの「はい」は、お客さんが来たときの「はい」と同じなのだ。お客さん=仕事をくれる人=お金をくれる人という構図は誰でもわかるが、会社(上司)=仕事をくれる人=お金をくれる人という構図は意外に忘れる人が多い。組織の中だからわかりにくいのだろうか? 実は全く同じである。会社から仕事をたくさんもらった人が勝ちなのだ。
  気持ちの良い「はい」は、積極的に指示を受入れる姿勢を示すことになる。そして仕事を頼む側からすると、当然やる気のある方へ頼みたくなるだろう。気持ち良く頼める方を選ぶだろう。呼ばれたときの返事は第1歩である。明るく機敏な「はい」→たくさん仕事がもらえる→成功への道なのだ。

2、メモをとる

  覚えていられるとおもっても、つい忘れてしまったり、勘違いしてしまったりということがある。メモをとろう。
  メモは全文を書いていては途中で追いつけなくなって、かえって失敗する。忘れやすいことだけ、固有名詞、数字、場所、時間、数量などに絞ってメモをしよう。

3、疑問があれば質問する

  疑問点があれば遠慮なく質問しよう。疑問点をそのままにしておいて実施すると、あとで問題になってしまう。
  また指示はわかったつもりでも理解不足な場合も多い。実際に実行しようとしてみると「あれ?これはどうするんだろう」と解らなくなった時も、遠慮せず都度上司に質問しにいこう。
  上司としては、指示に対する質問は、きっちり指示を受けようという姿勢に映り、かえって好ましいものだ。

4、意見があれば提言する

  現場にいる部下が知っていて、上司が知らない現場の事情や情報というのは当然有り得る。そういう時に、現場からの情報を伝えるのも部下の役目だ。
  指示内容について、上司が気づいていない問題や、よりベターな方法があるならば、それは提言すべしだ。最初に「提案させて頂いてよろしいですか?」「私の個人的な意見ですが、」と断ってから行う。
  指示を受けるときには何も言わないで、後から「うまくいかないのはわかっていました」というのは、卑屈な上に不実な態度である。喧嘩を売っているのと同義の重罪と心得るべし。

5、復唱確認

  最後のステップだ。これをやらないとすべてが水泡に帰す。メモ自体が間違っていたり不足していたら、どうにもならないからだ。
  自分のメモを読み上げて確認しよう。「 … ということでよろしいでしょうか?」

6、「手が一杯でそれどころじゃない!」と思ったとき

  急な指示で「手が一杯でそれどころじゃない」と思った場合で、指示を実行できない可能性がある時でも、すぐにできないと考えるのは最悪。仕事に取り組む姿勢ではない。
急な指示でもすかさず受入れる積極性が必要。
  だからといって、そのまま黙って受入れるのもよくない。無理なことを言うのが上司の本意ではないし、無理に抱えることで後でできなかったということの方が恐ろしい。そういう時は、現在既に抱えている案件を上司に率直に話して、他の案件より優先してすぐにやるべきか、他の仕事の後でよいかを相談して、優先順位(プライオリティ)を決めてもらおう。上司は優先順位を指示するなり、どうしても無理なら他の人に指示し直すなりするだろう。
  途中でできそうになくなった時でも同様である。なるべく早期にどういう状態になったのかを上司に報告し、指示を仰ぐこと。そのまま放って置くのは厳禁。
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