人には多彩な能力があるが、ここでは相反する4種類の系統を題材にして、アサインメン
トの指針と、陥りやすい間違いについて説明する。
4種類の能力を分類する軸として、創造−管理軸と対人−非対人軸がある。
創造系は、無 から有を生み、プラス(売上、規模)を増やす視点を持つ。管理系は、既存の枠の中で仕
事を行い、マイナス(ミス、ロス)を減らす視点を持つ。創造系の対人が「営業」、非対人
が「企画」であり、管理系の対人が「接客」、非対人が「事務」である。
どれも企業には必要不可欠な能力であるが、それぞれの能力は相反しあう傾向がある。創
造系は、ミスやロスに対して大雑把な傾向に。管理系は、創造や拡大を阻む傾向に。対人
は、事務処理やコンセプトワークに弱く、非対人は対人能力に欠ける傾向がある。
単に人それぞれ長所短所があるだけならよいのだが、問題は、それぞれがそれぞれの長所 のみを尺度にして、他の人の価値を計る危険である。創造系は管理系の良さが見えないし、 管理系は創造系の良さが見えないのが普通であり、その場合お互いに能力無しという判定 をしてしまうというやばさを持っている。違う系統の能力を持つ人が、お互いに評価しあ うと、双方が価値無しという非生産的な結論を出しかねない。それが会社人事の傾向にな ってしまうと、折角の社員たちの能力を、活かすどころか殺すことにもなり兼ねないので ある。
従って、いかに違う系統の能力を持つ人同志が、互いの能力に気づき、尊重し、活用して
いくかが、会社人事の生命線となるのである。
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